柔道整復師について

柔道整復師×スポーツインストラクター

将来、スポーツに関わる仕事をしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そのなかでも「スポーツをする人をサポートする」職業についてご紹介します。

「スポーツをする人をサポ―トする」という職業のなかには、仕事内容が共通する部分も多くありますが、目的や役割に違いがあります。
ここでは、どのような職業があるのか、またその役割、必要な資格について説明します。

スポーツインストラクターに資格は必要?

スポーツインストラクターに関わる資格はさまざまあります。「スポーツ指導員」・「トレーニング指導者」・「NSCA認定パーソナルトレーナー」などが挙げられます。
スポーツインストラクターは適切な指導をするために幅広い知識をもつ必要がありますが、特に決まった試験や資格があるわけではありません。そのため、専門学校や大学でやりたい仕事に照らし合わせながら各種の資格を取るとよいでしょう。

日本の社会は少子化が進む一方で、平均寿命は更新され、今後も高齢化率は増加すると予測されています。
高齢になればなるほど、自然と身体能力や筋力は低下するため、身体が不自由になってしまったり、転倒しやすくなり思わぬケガをしてしまったりする方が増えてきます。
そして、高齢者はケガをすると回復まで時間がかかったり、場合によってはそのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありせん。そのためは『予防』が大切です。

例えば・・・
①日本スポーツ協会認定「スポーツ指導員」の「指導員」
フィットネスジムやスポーツクラブなどで利用者に指導するための能力があると認めらた人に与えられる民間の資格です。
35時間程度の講座を通信教育で受講して、判定基準がクリアすれば与えられます。

②日本トレーニング指導者協会「トレーニング指導員」
科学的根拠に基づいたスポーツプログラムを作成したり、指導したりするために必要な知識を習得したと認められた人に与えられる民間の資格です。
72時間程度の養成講習会を受講して、認定試験に合格すれば与えられます。

③財団法人健康・体力づくりの事業財団「健康運動指導士」
生活習慣病を予防し、健康な生活を維持するために、運動プログラムの作成や対象者を指導する能力があると認められた人に与えられる民間の資格です。
養成講習会を受講して試験に合格すれば、「健康運動指導士」として登録できます。

④日本スポーツ協会、日本水泳協会、日本スイミングクラブ協会「認定水泳教師」
協会が主催する科目を履修することで民間の資格を取得できます。

⑤ヨガインストラクター
ご自身のヨガの経験からインストラクターへキャリアアップを目指す方も多い女性に人気のあるヨガインストラクター。ヨガにはさまざまな種類があり、全国各地で講習会が開かれています。それぞれの協会や団体が主催するインストラクター養成講座を受講するとよいでしょう。

このようにスポーツインストラクターは必要な知識や民間資格で働くことができます。
またスポーツクラブやフィットネスクラブなどでは、入社後に独自の講習や研修を受けることができます。社内でアシスタントとして経験を積み、一人前のインストラクターとして仕事ができるようになるという流れも一般的に多くあるようです。

「スポーツインストラクター」と「スポーツトレーナー」の仕事の違いは?

「スポーツインストラクター」と「スポーツトレーナー」は、どちらも「スポーツをする人をサポートする」職業です。ここではその違いと簡潔に説明します。

●「スポーツインストラクター」
利用者の目的にあわせて安全に運動ができるように指導する仕事。

●「スポーツトレーナーは」
より高いパフォーマンスが出せるように相手をサポートする仕事。
そのため、適切なトレーニング指導法・ケガの予防や応急処置・リハビリなどの技術と、体の構造の理解などの知識が必要とされる。

スポーツトレーナーに資格は必要?

スポーツトレーナーも、インストラクターと同様に必須とされる資格がありませんが、実際には体づくりやトレーニング理論などの専門的な知識が必要とされる仕事のため、民間資格や国家資格を取得する人が多いのが実態です。

例えば…
①スポーツトレーナー向けの民間資格や認定資格
・認定アスレティック・トレーナー(JATAC-ATC)
・認定トレーニング指導者資格(JATI-ATI)
・NSCA認定パーソナルトレーナー など

②国家資格
・柔道整復師
・鍼灸師
・あん摩マッサージ師
・理学療法士
・栄養士 など

スポーツ選手から信頼されるスポーツトレーナーとして仕事をするためには、専門的な高い知識と手技などのスキルが求められます。
ケガの予防や、ケガが発生してしまったときに応急処置ができるスキル、リハビリなどの医学やスポーツ科学に関する専門知識があれば、指導の幅も広がります。

そのため、プロスポーツチームの専属トレーナーや帯同トレーナーでは、「柔道整復師」や「鍼灸師」、「理学療法士」の国家資格を取得しているスポーツトレーナーが多いです。
なかでも「柔道整復師」は医師と並んで、ケガの応急処置ができる医療系国家資格のため、スポーツ中に起こりやすい脱臼や打撲なども治療できることもあり、スポーツ現場で活躍できる国家資格です。
またあわせて、食事メニューを提案できる「栄養士」の国家資格を持つスポーツトレーナーも多くいます。

このように、「スポーツインストラクター」と「スポーツトレーナー」には仕事内容に違いがあり、求められる資格やそのレベルも異なっていることがわかります。
「スポーツインストラクター」は、スポーツ・健康系の大学や専門学校を卒業後、スポーツジムやフィットネスクラブに就職すると、スポーツインストラクターとして働けるようになります。高校を卒業したあとにアルバイトとして知識をつけながら、ゆくゆくはインストラクターになるという手段もあります。
「スポーツトレーナー」は、身体の働きや機能、運動学、スポーツ医学などの専門知識やケガの応急処置ができるスキルが求められるため、専門学校などで柔道整復師などの国家資格を養成している学校に入学して、国家試験に合格することが近道であり、就職にも有利でしょう。
その際の学校選びでは、在学中からインターンシップや学生トレーナーとして早いうちからスポーツ現場で経験を積める機会があるかどうかも重要なポイントです。

このように、スポーツに関わる仕事には違いがあり、必要とされる資格も違います。
好きなスポーツを一生の仕事として関わることができるよう、ぜひ夢を叶えてください。

【監修者】

本校柔道整復学科 専任教員 鴨田佳典

柔道整復師(2009年取得)

本校柔道整復学科 専任教員 鴨田佳典
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