将来、「手に職」を活かして自分らしく働きたい。
柔道整復師・鍼灸師は、そんな想いを叶えられる国家資格です。
就職して現場で活躍するだけでなく、独立開業という“未来の選択肢”も広がっています。
スキルアップにも独立開業にも必要な知識と実践力を身につけられる独立開業ゼミ。
このたび、「独立開業ゼミ」全3回のうち、最終回となる第3回目が開催されました。
今回はリモートで参加の方も多く、本当に人気ゼミです!

🌟2回目のレポート「集客とブランディング」独立開業ゼミ【第二回レポ】
独立開業ゼミとは?
独立開業ゼミは、将来独立を目指す学生だけでなく、院長や副院長クラスを目指す方にも必要な「経営の知識」と「現場のリアル」を学べる全3回の講座。
講師は現場経験豊富でコロナ禍でも会社が順調に成長!
田嶋将大さん(株式会社ヒューマンアジャスト 人事部部長)

2017年入社、なんと3ヶ月で院長就任!これまで40店舗の出店に関与し、60店舗の運営を管理。
専門学校での特別授業、働き方改革セミナーなども実施中。
3回目の内容と学び
今回は、「創業計画書の作成」がテーマでした。
創業計画書は、金融機関・自治体・投資家などに対して、
「この事業は実現可能である」ということを 数字と計画で証明するための書類 です。
以下のように「経営・法律・資金・シミュレーション」の各視点を理解しておくことがとても重要と、田嶋さんからお話がありました。みなさん終始真剣に耳を傾け、時に質問も活発に交わされました。


〈経営の基本理解〉
決算書の読み方、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、KPI(重要業績評価指標)について詳しく学びました。経営とは「人・物・金・情報」を管理することであり、運営管理と経営管理の違いを理解することが重要。
〈法律や保険の知識〉
療養費(保険診療)を取り扱うには柔道整復師であれば3年以上の実務経験と施術管理者研修の受講が必要。法律は頻繁に変わるため、定期的に最新情報をチェックする必要がある。
〈資金計画と設備投資〉
創業資金の中でも特に内装費の扱い方、現金一括、ローン、リースの違いについて。借入できることは信用の証であり、信用は「過去の実績+計画力」で築かれることを学びました。
〈年間シミュレーションの活用〉
Googleスプレッドシートを用いた売上・経費のシミュレーションも実践。メニューの頻繁な変更は患者の不信感につながるため、慎重に検討する必要がある。

PL・BS・KPIとは? 経営を“数字”で理解する力
田嶋さんからは「PL・BS・KPIについては必ず理解しておくこと」という強いメッセージがありました。
これは経営者だけでなく、スタッフとして院運営に関わる上でも重要だそうです。



●PL(損益計算書)=「儲かったか、損したか」
PLは、 一定期間の売上・経費・利益をまとめた表。
1か月や1年などの単位で「いくら稼ぎ、いくら使い、いくら残ったか」を見える化。
PLの基本構造:
売上高
- 仕入・材料費
- 人件費
- 家賃・光熱費
- 広告宣伝費
= 営業利益
- その他経費(減価償却費・支払利息など)
- 税金
= 当期純利益
例)接骨院の場合:
売上高:保険診療+自費メニューの合計
経費:スタッフ給与、家賃、電気代、ベッド・機器のリース、広告費など
営業利益:実際に自由に使える「利益」のベースになる部分
📌 ポイント:
✓PLを読む力があると、「黒字なのにお金がない」という状態の原因がすぐにわかるようになる。
● BS(貸借対照表)=「お金の全体像」を表す
BSは、 今現在、院がどんな財産と負債を持っているか を示す表。
PLが「流れ」なら、BSは「貯まり具合」。開業直後〜数年目で特に重要。
BSの基本構造:
資産(現金・設備・機器など)
= 負債(借入金など)+ 純資産(自分の資金)
例)接骨院では:
資産:現金・銀行口座・ベッド・治療機器・内装など
負債:開業資金としての借入金・リース契約など
純資産:自分が出した自己資金
📌 ポイント:
✓同じ売上でも「キャッシュが回るかどうか」はBSで判断。
✓PLで利益が出ていても、BS上で現金が減っているケース(例えば借入返済・設備投資・未回収売掛金など)が黒字倒産の原因に。
● KPI(重要業績評価指標)=「ゴール達成のための道しるべ」
KPIとは、経営目標を達成するために重要な数字(指標)のこと。
例えば治療院では、こんなKPIが使われます。
・1日の来院数
・月の新規患者数
・自費メニューの比率
・客単価(1人あたりの売上)
・リピート率(再来院率)
KPIを毎月・毎週チェックすることで、
「なぜ売上が伸びているのか?」「なぜ下がっているのか?」が数値でわかるようになります。
📌 ポイント:
✓KPIがないと、「なんとなく忙しいけど、なぜか儲からない」という状況になる
✓KPIを決めると、行動の優先順位がハッキリする
✓売上目標を細分化して、日々の行動レベルに落とし込むための指標
学生のうちからこのような知識を入れて
国家資格を「活かして生きる力」を、今から育てていきましょう。

コロナ禍でも会社が順調に成長した理由
講師の田嶋さんは、「ちゃんとしたことをちゃんとやる」ことに尽きるとのこと。
「緻密な計画と、こまめな計画修正。これがすごい大事。これが成功のカギ」と強調していました。
「数字的なことだけではなくて、卒業後と在学中の計画も改めて見直していただいて、『開業してよかった』『資格を取ってよかった』と心から思える人が増えてほしい」
また「個人院でここまで緻密な計算をしているところは少ないので、きちんとやれば必ず軌道に乗る」と語っていました。
「何かあれば機械のメーカーや内外装業者の紹介もできるし、困ったら日本医専のスタッフ経由でも相談してほしい」と、今後もサポート体制がある安心感も伝えてくれました。

参加した学生の声
「学校では施術に関することをメインに学ぶと思うんですが、経営に関する具体的な内容は、他では中々学ぶ機会がないと聞いております。今回、具体的に失敗事例や現実の厳しさも含めて、一つ一つ知れたのが貴重でいい学びになりました。今後開業を考えている方には、とてもおすすめなゼミです。」

日本医専のスタッフも全三回参加しての感想
「今回の独立開業ゼミで一番勉強になったのは、実際に独立するまでのプロセスや、リスクとの向き合い方についての話でした。理想だけではなく、現実的な課題や準備の大切さについて学べたことで、独立に対するイメージがより具体的になりました。学生のうちからこうした現場に近い話を聞ける機会があるのは、本当に貴重だと思います。社会人になってから初めて知るよりも、早い段階選択肢としての独立を意識できることで、今のうちから行動に移す準備ができると感じました。」

独立開業ゼミは将来の成功の土台づくり
このゼミでは、開業を夢見るだけでなく、現実の課題やリスクにどう立ち向かうか、具体的な対策や準備の大切さを学べました。学生のうちから経営視点を持つことは、就職後や独立の際に大きな強みとなります。
現場で即戦力として活躍し、院長や副院長の役割を担うためにも、経営知識は欠かせません。国家資格取得はゴールではなく、スタート地点。日本医専は資格を活かし自分らしく働く力を育てることに、今後も力を入れていきます。
独立やキャリアアップを見据えた学びに興味のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
みなさまの未来を共に創っていけることを、心より楽しみにしています。