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浮谷先生コラム第18弾『使われなくなった歯科材料~アマルガムとアスベスト』

2022/02/25

こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
浮谷先生コラムの第18弾をお届けいたします!

使われなくなった歯科材料~アマルガムとアスベスト

皆さんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

春が近いというのにオミクロン変異株の影響でなかなか思うような活動ができませんね。

このような巣ごもり生活が長く続くと、気晴らしにテレビの旅番組を観てしまうのは私だけでしょうか?

最近は趣味の鉄道の番組も増えてきましたが、個人的には紀行番組に限らず「廃線跡を辿る」みたいな~失われた路線風景の散策~とか産業遺産とか、そのような映像や本を観たりするのが好きです。

前置きが長くなりました。

私のこれまでのコラムも、失われた鉄道同様、歯科分野において「使われなくなった用語」等を取り上げて参りました。

今回はその《材料編》です。

アマルガムはご年配の方の中で1970~1980年代に初期の虫歯治療を受けたときに詰め物の材料として覚えている人がいるかもしれません。

アスベストは石綿とも言われ、長く住宅建築の断熱材として利用されてきました。

「衛生学・公衆衛生学」を学んだ3年生の皆さんは産業保健・環境衛生の分野で記憶に新しいと思います。(こちらは柔整国試出題範囲ですので要注意です‼)

授業でお伝えしましたが、かつて歯科分野において、治療で削った歯に被せるインレーとかクラウン(冠)のような金属修復物を鋳造する際、鋳造リング(アスベストリング)の内側に巻き付けて使用されました(アスベストリボン)。

アマルガムとアスベスト、どちらも歯科材料として馴染み深く、診療室や歯科技工室、大学の実習等で経験して参りました。

当然「歯科医師国家試験出題基準」にも含まれており〔保存修復学〕や〔歯科理工学〕の一分野として学びました。

1990年代初頭まではいずれの材料も歯科教育機関や歯科臨床の現場で使われていたと記憶しています。

それがなぜ消えてしまったのか?原因や変遷を探ってみましょう。

アマルガム充填

アマルガムとは水銀を40~50%(これが後々問題になりました!)含む金属で、他に銀35%、スズ9%、銅6%さらに少量の亜鉛が含まれていましたが、これまで約160年間の歯科臨床を通じ、水銀による為害作用は特に問題にされてきませんでした。

しかしながらその後、水俣病など有機水銀による水銀汚染が発生したため(歯科臨床におけるアマルガムは無機水銀で直接は結びつきませんが)環境衛生の立場から保管、在庫の管理および取り扱いには十分注意が必要とされました。

アスベスト代替品の安全性について

これまでのアスベスト問題について、国をあげてのアスベスト代替化が進んでいます。

歯科医療においてもすでにその流れにあります。

例えば歯科鋳造法で必要な鋳造リング緩衝材のセラミックリボンがすでに代替品として
使用されています。

そして必要なことはアマルガムにも共通して言えることですが、アスベスト使用後の処理あるいは歯科医療現場や教育機関に残存しているアスベスト製品をいかに適正に廃棄していくかだと思われます。

最後に平成30年の「歯科医師国家試験出題基準」で≪アマルガム充填≫や≪アスベストリング≫の項目を調べましたが、すでに削除されていました。

代わりに多くの記載があったのはインプラント関連でした。

時代は変わっていきます。

(監修/浮谷英邦先生:歯科医師・介護支援専門員)


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