柔道整復師・鍼灸師を育成する専門学校

日本医学柔整鍼灸専門学校

柔道整復学科 BLOG

浮谷先生コラム 第12弾~柔道整復師とクロサワ映画~

2021/10/15

こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
浮谷先生コラムの第12弾をお届けいたします!

~柔道整復師とクロサワ映画~

こんにちは。柔道整復学科専任教員の浮谷です。
これまで自身のコラムでオリンピックの話題と共に映画監督・小津安二郎さんについて記してきました。
本日は小津監督と並ぶ世界のクロサワ‼~黒澤明監督について、特に柔道関連の作品を探っていきたいと思います。

では初めに皆さんがどのくらい黒澤作品を知っているか?
国試型式で出題します。
是非チャレンジしてください!

問1. 以下の映画の中で黒澤明監督が手がけた最初の監督作品はどれか。

1. 生きる
2. 七人の侍
3. 姿三四郎
4. 用心棒

【解答・解説】
答えは3.選択肢はいずれも黒澤監督の名作ですが、「姿三四郎」がデビュー作です。
時は昭和18年、太平洋戦争の真っ只中です。
この作品は富田常雄氏の同名小説の映画化でした。
主役の三四郎を演じたのは藤田進。
彼は「ハワイ・マレー沖海戦」や「加藤隼戦闘隊」といった当時の戦意高揚映画に出演したスター俳優でした。
作品は明治中期、古くからの闘技としての柔術と、講道館設立の父・嘉納治五郎による近代スポーツとしての柔道との対立が激しかった頃が題材として取り上げられています。
この作品は好評だったため、やがて続編が作られました。

問2. 前作の続編のタイトルで正しいものはどれか。

1. 柔道一直線
2. 続姿三四郎
3. 新姿三四郎
4. 帰ってきた三四郎

【解答・解説】
答えは2.続編のためそのまま「続―」としたのか?時局柄(昭和20年、封切りは終戦直前の5月)適当なネーミングを探す余裕がなかったのかもしれません。
内容は前作とほぼ同様、藤田進主演です。
ただ戦時色が前作よりさらに濃くなって、例えば乱暴なアメリカ人船員を三四郎が投げ飛ばしたり、外人ボクサーと柔術師との試合のシーンがあったりして民族意識を高める傾向が見られます。
おそらく当時の軍部の意向と思われますが、「三四郎」「続三四郎」2作品ともに決して黒澤監督は戦意高揚を狙って作ったわけではないと多くの識者が述べています。

あの時代、軍部の統制下にあって明治の柔術~柔道を題材に質の高い娯楽・芸術作品を撮り、その後の『世界のクロサワ』の基盤となった記念すべき作品と言えるでしょう。
柔道整復師を目指す皆さんには柔道の歴史を知る手がかりになると思います。
これらの作品は小津作品同様、現在上映の機会は少ないですが、DVDがありますので是非ご覧ください。

最後に:『日本医専の姿三四郎』といえば、どなたでしょう?

⇒やはり柔道整復学科で本校柔道部出身の熱血漢‼森下先生しかいませんね。
失礼いたしました。

(監修/浮谷英邦先生:歯科医師・介護支援専門員)

>>ほかの柔道整復学科ブログはこちら

記事一覧へ戻る

新着記事

資料請求 オープンキャンパス LINE個別相談
資料請求 オープンキャンパス LINE個別相談