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川﨑先生コラム 第28弾「スポーツを楽しもう!★アキレス腱炎に注意!」

2022/10/14

こんにちは!

日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。

川﨑先生コラムの第28弾をお届けいたします!

スポーツを楽しもう!★アキレス腱炎に注意!

スポーツの秋ですね。運動するには適した季節になりました。

夏の季節に運動をしていない方が、急に運動を始めて様々な障害を起こし接骨院に来院される方が多くなりました。

最も多いのは足の障害です。

特にアキレス腱周囲の痛みや足底筋の痛みを引き起こす方が多いです。

スポーツを始める前に、コンディショニングを整えて自分の身体を運動に適した状態にすることが大切です。

週末だけスポーツを楽しむ方は要注意です。

アキレス腱とは

アキレス腱は足関節の後ろにある身体の中で最も大きく強い腱です。

ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)とかかとの骨(踵骨)を繋いでいます。

かかとの上部に太い腱を触れることができます。

ふくらはぎの筋肉が収縮すると、アキレス腱が踵骨を引っ張る働きをしてジャンプや走る、つま先立ちの動きができるようになります。

アキレス腱を覆っているパラテノンという膜が、炎症を起こさないように腱の滑走性を助けています。

アキレス腱炎(アキレス腱周囲炎)とは

アキレス腱炎は、ランニングやトレーニングにより発症します。

足関節の曲げ伸ばしをすることでアキレス腱周囲が繰返し引っ張られます。この動作の過度の繰返しにより負荷がかかり炎症が起きます。

炎症が起こる場所は、踵の部分(アキレス腱付着部)とアキレス腱の中央部分(アキレス腱が少しくびれている部分)の2カ所です。

かかとの後ろやふくらはぎの下部が痛い、また、つま先立ちや動き出しの時にかかとが痛いなどの症状はアキレス腱に炎症が起きている可能性があります。

走ることが多い方に多くみられますが、歳をとるにつれて柔軟性が低下し弱くなるため40歳~50歳以上になると日常生活の動きによって炎症を起こすこともあり、場合によってはアキレス腱の断裂を起こすこともあります。

10歳前後の子供の場合、セーバー病というアキレス腱が付く踵の骨の骨端症という疾患があります。

まだ完全に骨になっていない部分の炎症または血流障害による壊死が起きて成長障害につながる可能性があるため注意する必要があります。

通常は運動制限により症状は改善し、予後は良好です。

こんな人は要注意

 普段運動をしない
 運動をしている人で運動の強度や時間を増やした
 骨盤の歪みなど体幹バランスが悪い
 扁平足(足底のアーチが少ない)や外反足(かかとの骨が内側に倒れて外側に向いている状態)
 不適切な靴を履いている(靴のすり減りやサイズ、硬い素材)
 十分なウォーミングアップ不足
 身体の柔軟性がない
 疲労の蓄積

アキレス腱炎の治療

アキレス腱炎を発症するとなかなか痛みが改善せず、重症の場合は半年~1年という長期にわたるケースもあります。

軽症であれば2週間程度の安静により改善します。

炎症の初期は、アイシングと安静が重要です。

症状が軽減してきたら足関節の機能の改善やふくらはぎの柔軟性改善、物理療法(超音波治療、体外衝撃波治療、高周波などの電気療法)を行っていきます。

また、テーピングインソールなどを用いてアキレス腱への負荷を軽減していきます。

医療機関では、ヒアルロン酸ステロイド注射を行うことがあります。

ヒアルロン酸は痛みを抑える効果は少なく、ステロイドは炎症を抑えるには効果的です。

しかし、アキレス腱にステロイド注射を数回行うと腱が弱くなり、アキレス腱断裂につながることがあります。

まずは、保存療法で改善をしていくことをお勧めします。

その他に、アキレス腱炎がなかなか治らない原因の一つに、アキレス腱の中に正常では見られない余計な血管が増殖することが考えられます。

人の身体は繰返しの負荷で血管が増殖するように働きます。

また、血管と神経は一緒に増殖するため、血管が増殖すると神経線維も増えます。

この働きが、痛みが長期になる原因と考えられます。

アキレス腱の問題だけでなく炎症を引き起こす原因を見つけてアプローチをしていく必要があります。

アキレス腱炎にならないために、日頃からストレッチを十分に行いましょう。

ふくらはぎや太ももの柔軟性が向上すればアキレス腱への負荷が軽減できます。

楽しく運動を続けるには、自分の身体をよく知ることです。

また、段階を踏んで計画を立てて実施することも必要です。

痛みは身体の信号です。

痛みを感じたら自分の運動能力よりも負荷がかかっていると思って下さい。

柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子


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