VRで楽しい授業習慣~脳の構造を理解しよう~
2022/12/23
日本医学柔整鍼灸専門学校です。
先日、鍼灸学科にてVR(バーチャルリアリティ)を活用した模擬授業が行われました。
近年、デジタル分野が急速に発展し、そこから生まれた多彩な技術が多種多様な現場に取り入れられ世の中を一段と便利に変革しています。
その変化は教育の現場にも起こっており、本校を運営する学校法人敬心学園では、夢を持った学生たちの学びに「VR(Virtual Reality・仮想現実)」を導入する文部科学省主導のプログラム「専修学校における先端技術利活用実証研究」の開発に着手しました。
これまでの「座学」と「実習」の学習内容の中間にあたるレベルの学びをVRが担うことを目指し、実際の授業に取り入れながらより良いプログラムの構築に取り組んでいます。
今では多くの医療施設で使用されているVRの技術に触れようと、当日は多くの学生が参加しました。
まずは脳側面図の解剖用語を確認し、その部位をVRで触ってみます。
今までは平面で理解していたものが立体的になることで、学生からは「イメージしていたものより大きい!」「位置関係が解りやすい」との声が挙がりました。
授業を進める鍼灸学科の渡邊先生からは「解剖用語を文字で見たときに、頭の中に立体の映像が浮かんでいたら成功です」と、学習効果を説明。
続いて、脳血管障害の患者様におけるベッドからの起き上がりの介入を学んでいきます。
鍼灸師も病棟で麻痺により動けない方に鍼灸治療を行なったり、介護施設や在宅医療も担うこともできます。
起き上がりの介入は2025年問題に向け必要な知識と技術になります。
※2025年問題とは、西暦2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、我が国が超高齢化社会になることを指します。 団塊の世代の人口は、現在約800万人です。 厚生労働省の試算では、この方々が75歳以上になると、現在約1,500万人の後期高齢者人口が、約2,200万人に膨れ上がる
VRの映像を見ながら患者役の学生へ「お年はいくつですか?」「お名前を伺っても良いですか?」と声をかけていきます。
映像の中に「お腹に力を入れて、目線は立ち上がる方向に向けて下さい」と手順も説明があるので、一つ一つクリアしながら介入を進めます。
これまで学生が練習する場合には介助者役と要介助者役で2人以上が必要でしたが、VRを利用すれば一人での練習も容易になるため、学生が完全に修得するまで繰り返し練習することもできますね。
今回、授業前に3問の小テストを行い3問とも正解した人は19人中0人でしたが、授業後に類似問題を出したところ19人中13人が全問正解!
また、授業終わりに学生たちからは「先生方の実技動画をVRで見てみたい」「筋肉や骨の名称が出ると便利」など様々な意見が出ました。
授業を担当した渡邊先生からは「VRは骨や筋肉の標本としても活用できます。教科書の平面で学ぶ良さももちろんありますが、立体的に学ぶことで色々な情報が入り、深く学ぶことが出来るんです。教育も変わっていかなければなりません」と模擬授業を締めくくりました。
学生たちが今回のVR模擬授業で脳の構造についての位置関係を深く理解し、将来の医療に役立てることを願ってやみません。
\VR模擬授業の様子をTikTokでも配信!/
<<日本医専TikTokアカウントはこちら>>
臨床医療、医療教育のためのバーチャルリアリティソフトウェアを提供されているHoloeyes 株式会社 HPはこちら
VR模擬授業や学校の通常授業、雰囲気について知りたい!オープンキャンパス情報はこちら
新着記事
-
2023/05/11その他
- 【大橋先生コラム】胃痛や胃もたれに効果のある漢方薬と鍼灸 「六君子湯」は不快感を改善
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 胃痛や胃もたれに効果のある漢方薬と鍼灸 「六君子湯」は不快感を改善 胃が痛いとか、もたれるなどといった症状をまとめて「ディスペプシア」と呼びます。 さらに、それら不快な症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査などで異常が見つからない場合を「機能性ディスペプシア」と呼びます。 原因として挙げられるのは、ストレス、不規則な生活、喫煙、過度なアルコール摂取など。 日本人に多い疾患ともいわれています。 機能性ディスペプシア改善には漢方薬がよく効きます。 ストレスなどによる胃痛やもたれなどの不快感には、「六君子湯」。 また、「平胃散」を使うことで、お腹の巡りが良くなり、胃もたれ感や不快感の改善が期待できます。 加えて、ツボを押すのもいいですよ。 足の内側の外反母趾で出っ張る関節のところから、かかとの方に向かって指を滑らせるとピタッと止まるところがあります。 ここのツボが「公孫」。 優しくマッサージするように押すことで、胃痛や嘔吐、胃の不快感、食欲不振の改善などに有効です。 機能性ディスペプシアには、日頃からストレスの軽減や規則正しい生活を心掛けることも大切。 アルコールや喫煙などの刺激物を控え、胃の調子を整えるようにしてください。 <<記事全文はこちら>> 大橋理那 先生/鍼灸学科専任講師]
-
2023/05/09その他
- 【稲垣先生コラム】フレイル予防にも東洋医学は有効か 鍼灸治療が期待されている
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! フレイル予防にも東洋医学は有効か 鍼灸治療が期待されている 「フレイル」とは、英語で老衰や虚弱を意味する「フレイルティー」が語源で、文字通り虚弱な高齢者を意味する言葉です。 日常生活を送る上で支障が生じる虚弱な状態であり、健康な状態と日常生活で支援が必要な介護状態の中間といえるでしょう。 体力に限ったことではなく、適切な支援の網からこぼれてしまった、いわゆる社会的なつながりが弱いことも含みます。 また、フレイル予防をする3つのポイントとして「運動・食事・孤立しない」を挙げていますが、これに関しては、鍼灸での対処が有効であると考えます。 たとえば、膝関節痛の患者さんに鍼灸と運動療法を組み合わせて治療したところ、運動療法だけの場合に対して歩行距離が伸びたという研究報告があります。 食事についても、鍼灸治療でむせこみが改善、誤嚥性肺炎のリスク低下に役立つと考えられます。 鍼灸師は患者さんと比較的長い時間接します。 それによって患者さんの衰えや体のちょっとした変化に気づきやすい。 鍼灸治療は間接的ではあるものの介護予防の取り組みのひとつとして大いに期待されています。 <<記事全文はこちら>> 稲垣 元 先生/鍼灸学科専任講師]
-
2023/04/26その他
- 【王先生コラム】東洋医学では妊娠中の不調に対する治療はどんなものがあるのか
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 東洋医学では妊娠中の不調に対する治療はどんなものがあるのか 女性の妊娠中に現れるよく知られた不調に「つわり」があります。 そのような方に対して、鍼灸治療はつわりの症状を和らげ、おなかの胎児への影響もほとんどないので、安心して受けられる自然療法といえるでしょう。 妊娠後期においては、代表的な不調として「逆子」という症状もあります。 逆子は医学用語で「骨盤位」と言いますが、出産が近づいているにもかかわらず、胎児の頭が産道に下りてきていない状態を指しています。 鍼灸治療によりこの逆子が治り、手術を免れ自然分娩になるケースも少なくありません。 鍼灸治療の経験がなく、鍼で刺されることに抵抗のある妊婦さんに対しては、鍼を刺さない「鍉鍼」という鍼灸もあります。 最寄りの専門の鍼灸院にご相談されるとよいでしょう。 <<記事全文はこちら>> 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通]
-
2023/04/19その他
- 【西野先生コラム】「三国志」にも登場する東洋医学 頭痛を鍼で治すシーンも
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 「三国志」にも登場する東洋医学 頭痛を鍼で治すシーンも 鍼灸の教科書に必ずと言っていいほど記載されているツボに、「華佗夾脊穴」というものがあります。 三国志の中には魏の曹操が頭痛を鍼で治すシーンが出てきますが、「華佗夾脊穴」の「華佗」は、曹操の頭痛を治したともいわれる典医の名前でもあります。 華佗は、現在の山東省南東部・江蘇省の長江以北にあたる徐州にて、四書・五経をはじめとした学問を修めた文人。 さらに漢方の処方にも詳しく、病の治療のために薬を処方する場合、はかりを用いずに目分量で確実に調合。 灸をすえるときはほぼ1~2カ所だけにとどめ、回数も7~8回までながら、それでもたちまち完治したといったさまざまな伝説が残されています。 このように数々の伝説を残した名医ではありましたが、当時の曹操のもとでは医師の待遇が悪く、決して恵まれていたとは言えませんでした。 そんな状況に嫌気がさしたのでしょうか。 曹操が首相にあたる「丞相」に就任すると、突然に職務を放棄し曹操のもとを離れます。 ですが捕まり投獄され、果ては処刑されることになるのです。 弟子たちの呉普や樊阿により、彼が残した鍼の技術や五禽戯また漢方薬などは、今日まで伝えられ実際の治療に生かされているのです。 そんな三国志の世界に思いを馳せながら、東洋医学の奥深さを改めて感じてはいかがでしょうか? <<記事全文はこちら>> 西野 祐介先生(鍼灸学科専任教員) はり師・きゅう師・柔道整復師。]
-
2023/03/30その他
- 日刊ゲンダイヘルスケアにて連載中!「東洋医学を正しく知って不調改善」第五十八回
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆する「東洋医学を正しく知って不調改善」の第五十八回が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 目の疲れに効くツボと対処法 鼻の付け根をつかむように押さえる スマホやパソコンの普及で、眼精疲労に悩む方が増えています。 パソコンのモニターを近距離で凝視し続けることで、目の毛様体筋が緊張し負荷がかかるためです。 まばたきの減少も、ドライアイの原因にもなっています。 症状としては、目がショボショボしたり重くなったり、目の奥が痛んだり。 よく目が疲れると、目の周りの筋肉がけいれんすることがあります。 このようなときに改善効果が期待できるのが、左右の目頭と鼻の付け根の間にあるツボ、睛明(せいめい)です。 誰でも無意識のうちに目が疲れたときにこの部位を押していることも多いと思いますが、押す際には鼻の付け根をつかむような形で押さえることがポイントになります。 気持ちいいと感じる強さで1~2分程度かけて10~20回ほど押すと眼精疲労による頭痛を軽減できるでしょう。 <<記事全文はこちら>> 渡邊 靖弘先生(鍼灸学科専任教員) 日本伝統鍼灸学会理事 和ら会会員 はり師 きゅう師 あん摩マッサージ指圧師]