【フロリダトレーナー研修2019】~イントロダクション~
2019/03/19
こんにちは。柔道整復学科専任教員の大隅です。
今回で第3回目を迎える事となったフロリダトレーナー研修!
スポーツトレーナーに興味があり、なおかつ日本とアメリカの違いを感じてみたいという学生にとっては、是非参加して欲しい柔道整復学科のビッグイベントです!
第1回目は対象者を2年生に限定。5名の参加者が集まり、無事に初めての研修がおこなわれました。
第2回目では対象者の範囲を広げ、1、2年生としたところ、なんと21名の参加者が集まりました。
そして今回第3回目は、昨年度参加した学生がもう一度参加したくなる様に少し違った研修プログラムを組むことで、1度だけではなく、2度行っても実のあるフロリダトレーナー研修を目指し、企画運営を進めてきました。
第3回目の参加者は、柔道整復学科から11名(内2名が昨年度参加の学生)、鍼灸学科から2名、敬心グループの姉妹校である臨床福祉専門学校柔道整復学科から1名の全14名。
2回目の参加、鍼灸学科からの参加、そして姉妹校からの参加と、今までに無かった形となった事は非常に喜ばしい事でした。
フロリダトレーナー研修が、日本医専の柔道整復学科だけのイベントではなく、学科を越え、学校を越えた研修となったことは非常に嬉しく思う半面、重大な責任も感じつつ研修を迎える事となりました。
今回の海外研修でも、海外旅行を経験したことがある学生だけでなく、初海外の学生も参加していました。
言葉の壁はありつつも、様々な事に挑戦していました。
本場アメリカでのトレーナー研修に興味はあるけれど、「英語が出来ない・話せない」と言う人でも諦めずに是非本校のフロリダトレーナー研修に挑戦してみてはいかがでしょうか?
きっとスポーツトレーナーとしての知識だけでなく、物事の考え方や捉え方なども変わってくると思います!
ブログを最後まで読み終えた時には、「自分もフロリダトレーナー研修に参加してみよう!」と思ってくれたら嬉しいです。
長くなりましたが、是非最後までブログをお楽しみ下さい。
学生のたくましい姿をレポートしたいと思います。
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2025/08/07コラム
- 【柔道整復学科・川崎先生コラム】エンタメの光と影を支える柔道整復師~エンタメトレーナー~
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こんにちは! 日本医専の広報担当です。 柔道整復学科 川﨑先生コラムの第66弾をお届けいたします! エンターテインメントの世界は、観客に夢と感動を与える一方で、その華やかなスポットライトの裏には、パフォーマーや裏方スタッフが計り知れない努力と過酷な身体的負担を負っています。 ダンサーの激しい動き、役者の長時間の稽古、ミュージシャンの楽器による特定の筋肉への負担など、彼らの身体には想像以上の負荷がかかるものです。 こうした特殊な環境下で、その専門知識と技術を活かし、「エンタメトレーナー」として活躍する柔道整復師の存在は、まだ広く知られていません。単にケガを治療するだけでなく、エンタメ業界特有の身体的課題に寄り添い、パフォーマンスの維持向上、そして何よりも長く輝き続けるための身体づくりをサポートしています。 知られざる「エンタメトレーナー」の存在 エンタメ現場では、急なケガへの対応はもちろんのこと、パフォーマンスの向上、慢性的な痛みの緩和、そしてケガの予防まで、幅広い知識と技術が求められます。 柔道整復師の最大の強みは、骨折・脱臼・捻挫・打撲・筋腱の損傷といったケガに対する施術が行なえる専門家である点と、様々な手技による丁寧な施術によって個々に合わせたきめ細やかなサポートが可能である点です。 例えば、舞台稽古中に捻挫をしてしまったダンサーがいたとします。 柔道整復師は患部の状態を正確に判断し、適切な処置を施すことで早期回復を促し、舞台復帰を強力にサポートします。 また、長時間の練習で肩や腰に慢性的な痛みを感じている役者に対しては、痛みの原因を特定し、手技による施術や運動療法、さらには日常生活での指導を通じて根本的な改善を図ります。 柔道整復師は、エンターテインメントを「身体」の面から支え、パフォーマーたちが最高のパフォーマンスを発揮できるようサポートすることで、感動を生み出す源となっています。 エンタメ業界の現場において柔道整復師の存在は不可欠な職業です。 豪華客船を彩るダンサーの心身をサポート! 飛鳥Ⅲで活躍されているダンサーさんのコンディショニングケアに行ってきました。 華やかなステージの裏側では、ダンサーの皆さんは想像以上の身体的・精神的負担を抱えています。 そのため、今回のケアでは単に身体のメンテナンスを行うだけでなく、多岐にわたる問題への対応を重視しました。 身体的ケア:パフォーマンス向上のためのコンディショニング、ケガ予防のための身体の使い方、そしてご自身で実践できるテーピングの方法など。 心理的負担のケア:長期にわたる船上生活や、常に最高のパフォーマンスを求められるプレッシャーに対するメンタルヘルスサポート。 セルフメンテナンスの知識指導:ご自身で身体のケアができるよう、ストレッチや筋膜リリースなどの具体的な方法。 飛鳥Ⅲという特別な環境で活躍されるダンサーの皆さんが最高のパフォーマンスを維持できるよう、心身両面からのリカバリー方法をダンサーさんと一緒に考えながらサポートしてきました。 実際に舞台も拝見し、特殊な振付けによる負担が大きいことを実感しました。この経験を通じて、様々な分野の治療に対応できる能力が、エンタメトレーナーには必須であることを改めて認識しました。 また、ダンサーさんにおいても柔道整復師という職業の魅力を実感してくれて、引退後に進むセカンドキャリアとして資格を取得したいというお話がありました。 エンタメ関係者が抱える主な身体的問題(職業別) 1.ダンサー・振付師 【身体的問題】股関節や膝、足関節の痛み、腰痛、疲労骨折、腱鞘炎、捻挫や肉離れなど 【柔道整復師の役割】ケガの応急処置、関節可動域の改善、正しい身体の使い方指導、 パフォーマンス向上のためのコンディショニングなど 2.役者・声優 【身体的問題】肩こり、腰痛、頚部痛、膝痛、捻挫や打撲など 【柔道整復師の役割】慢性的な痛みの緩和、姿勢改善、疲労回復、身体の使い方指導など 3.ミュージシャン 【身体的問題】肩、腕、指の痛み、腱鞘炎、首・肩こりなど 【柔道整復師の役割】演奏で生じる特定部位の痛みの緩和、フォーム改善のアドバイス、疲労回復など 4.テーマパークの舞台 【身体的問題】着ぐるみによる首、肩、腰、膝の痛み、反復動作による疲労、捻挫や打撲など 【柔道整復師の役割】疲労回復、身体ケア、ケガの応急処置、負荷の少ない動き方指導など 5.アクション・スタント現場 【身体的問題】打撲、捻挫、骨折、脱臼、首、肩、腰、膝の痛み、全身の疲労など 【柔道整復師の役割】身体能力を引き出すコンディショニング、ウォーミングアップ指導、テーピング指導 ケガの処置・予防、リハビリテーションなど 6.裏方スタッフ(舞台監督、照明、音響など) 【身体的問題】腰痛、肩こり、膝痛、全身の疲労など 【柔道整復師の役割】身体のメンテナンス、疲労回復、姿勢アドバイスなど ダンサー出身の柔道整復師が拓く未来 ダンサーとしての経験と柔道整復師としての専門性を併せ持つ人材は、まさにエンタメ業界が待ち望んでいた存在です。 彼らは、パフォーマーのケガの治療だけでなく、パフォーマンス向上のためのコンディショニング、キャリアを長く続けるための身体管理、さらには若手ダンサーの育成現場での指導など、多岐にわたる分野で活躍する可能性を秘めています。 かつて自らの身体を支え、表現を可能にしたその手から繰り出される施術は、単なる手技に留まらず、患者であるパフォーマーの身体と心に深く響くものになるでしょう。 「ダンサーから柔道整復師へ」身体の極限を知る者が、その知識と経験をエンタメ業界へ還元していくことは、大きな社会貢献であり、彼らにとって新たな自己表現の始まりとなるはずです。 終わりに エンターテインメント業界における身体の問題は、単なるケガや疲労に限りません。 その特殊な環境ゆえに、より深く、そして見過ごされてしまいがちな問題が数多く存在します。 「魅せる身体」を追求するあまり健康を犠牲にしてしまうケースや、見えないストレスの蓄積が身体に様々な形で現れることも珍しくありません。 また、現役時代だけでなく、引退後の身体的問題まで見据えた長期的なケアも考えていく必要があります。 私たち柔道整復師は、目の前の痛みに向き合うだけでなく、その背景にある原因を深く理解し、エンターテインメントへの深い共感を持ち続けることが何よりも大切だと考えています。 パフォーマーの皆さんが安心して輝き続けられるよう、これからも心身両面から支えてまいります。 過去のコラムはこちら 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2025/07/17コラム
- 【柔道整復学科・片橋先生コラム】熱中症予防
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こんにちは、日本医専です! 今回は、柔道整復学科の専任教員 片橋先生コラムの第67弾をお届けします! 柔道整復学科専任教員の片橋です 暑いですね~ 「それしか言葉が出ない・・・」という患者さんがいらっしゃいました わかる~、ですよね みなさんは暑さ対策、どのようにされていますか? この時期本当に心配なのが熱中症!!! 「その辺でフラフラしている人を見かけたよ」なんて声も聞きました・・・ 他人事ではありません だれがなってもおかしくないですよね まず思いつくのは、水分補給!!こまめに、がいいですね 塩分などミネラルも摂るといいですよね 次に、適切なエアコンの使用 TVでもよく言っていますね エアコンの設定温度は、一般的に26〜28℃が推奨されます 極端に低い温度設定は体に負担をかけ、体温調節機能を鈍らせる恐れがあります 外気との気温差が大きいと体の負担になり、だるくなってしまうのです 適切な服装 通気性の良い、明るい色の衣服を選び、直射日光を避けましょう できれば下着を取り換えたり、着替えをしたりするとよいですね 涼しい場所での休憩 日陰やエアコンの効いた場所で休むことも大切です 日陰に入るだけで体感温度は全く違いますよね 汗を拭いて水分補給をしましょう それから、睡眠と食事など基本的な生活リズム どんな体調不良とも切り離せないこの2つ 特に睡眠! 体を休めて活力をいっぱいチャージしていなければ、この熱気とギラギラの日差しに耐えられません 暑いからといって、冷たいアイスやかき氷ばかりでは栄養がとれません 野菜、果物のミネラル、良質なたんぱく質は体に欠かせませんね あとは、いかがでしょうか? 私が気になっているのはマスクの着用です 感染症予防のためにきちんとされている方、特にご高齢の方が心配です エレベーターに乗り合わせて「暑いですね~」とごあいさつしました その方がマスクをされていたので 「マスク、熱中症になりやすいので気をつけてくださいね」 とお伝えしたところ 「呼吸がしづらく苦しくて」 とおっしゃっていました マスクをしていると体内に熱がこもりやすくなるため、熱中症のリスクが高まるのです ご高齢の方は体力も低下していますのでリスクになります 必要に応じてマスクを外すことを検討しましょう それと、エアコンの使いすぎによる暑熱順化不足 の重要性 暑熱順化とは、徐々に暑さに体を慣らすことで、熱に対する耐性を高める方法です 室内と外気の温度差が大きすぎることは、暑熱順化の妨げにもなります 最初は短時間の外出から始め、徐々に活動時間を延ばすことで、体の適応を促します これにより、汗腺の働きや体温調節機能が向上し、熱中症の予防につながります また、適度な運動も対策になります 朝や夕方の涼しい時間帯に外で軽い運動や活動を行って体力をつけるのです いかがでしたか もうすでに実行されていますか 長い夏、 楽しい思い出をたくさんつくって 元気に乗り切りましょう‼ (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員) 過去のコラムはこちら]
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2025/07/15コラム
- 【柔道整復学科・川崎先生コラム】「パフォーマンスを向上させる柔(やわら)体操」
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こんにちは! 日本医専の広報担当です。 柔道整復学科 川﨑先生コラムの第65弾をお届けいたします! 柔道における「柔体操」は、単なる準備運動にとどまらず、心身の能力を最大限に引き出し、柔道の理念を体現するために考案された伝統的な身体操法です。 柔道の創始者である嘉納治五郎師範の深い洞察と身体の理にかなった動きを追求して生み出されたこの体操は、競技者のみならず、健康を求めるすべての人々にとって、怪我の予防、全身の協調性、バランス、体幹の安定性、そして落ち着いた心を育むための素晴らしい身体操法であると言えます。 柔体操とは? 運動能力の土台を築く「動くストレッチ」 「身体が硬くて…」「なんだかいつも疲れている」「肩こりや腰痛が慢性化している」・・・・・ もし皆様が特定の動きで可動域の制限を感じたり、慢性的な疲労や痛みを感じているなら、その原因は「柔軟性の低下」が考えられます。 そして、その解決策の一つが、柔道という武道の根幹にある「柔体操」です。 柔道と聞くと、激しい投げ技を想像するかもしれませんが、柔道の稽古には、心と身体を整えるための「柔体操」という、とても穏やかで効果的な運動があります。 柔体操の最大のポイントは、「筋膜」を緩めることにあります。 筋膜は全身にわたって覆う網目状の結合組織で、身体の動きをスムーズにする上で重要なものです。 「一度引き伸ばされると緩む」という特性があり、柔体操のゆっくりとした、流れるような動きは、この筋膜を段階的に「伸ばして戻す」ことを繰り返し、本来の柔軟性を引き出すことに繋がっています。 これは、静的なストレッチでは得にくい、動きの中で筋膜をリリースするための動くストレッチとして効果があり、「段階的に伸ばす」というのが効果のポイントとなります。 なぜ、パフォーマンスは伸び悩むのか? 柔軟性と「負のスパイラル」 柔軟性の低い筋肉は、短く、常に緊張しています。この緊張状態は、必要以上にエネルギーを消費するため、すぐに疲れを感じやすくなります。 さらに深刻なのは、筋肉の緊張が続くと血液循環が悪くなることです。 筋肉が硬いと、その中を通る血管も圧迫され、血液の巡りが悪くなり、酸素や栄養素が細胞に届きにくくなってしまいます。代謝が悪いと老廃物が蓄積しやすくなるため、パフォーマンスの低下だけでなく、痛みに繋がりやすくなります。 そして、痛みを感じると、身体は無意識にその部位をかばおうと反応して、さらに筋肉を緊張させてしまいます。これが「痛みと緊張の負のスパイラル」です。 結果的に身体活動量が減少し、柔軟性が失われるという悪循環に陥ってしまいます。 柔軟性と全身の健康:血管との意外な関係 筋肉の柔軟性が高い人は、血管も柔らかく、動脈硬化のリスクも低いことが指摘されています。 逆に、柔軟性の低い人は血管も硬くなりがちで、血圧が上がりやすい傾向にあると言われています。 筋膜は血管にも密接に関わっているため、筋膜の柔軟性が血管の健康にも影響を与える可能性が示唆されています。 柔体操がもたらす効果:競技力向上と怪我予防 柔体操を継続的に取り入れることで、以下のような効果が期待できます。 ①無駄のない動きの習得 筋膜が柔軟になることで、関節の可動域が広がり、より大きなパワーを効率よく伝えられるようになります。例えば、野球のスイング、サッカーのキック、バスケットボールのジャンプなど、あらゆる動作で「しなやかさ」が加わり、パフォーマンスの向上に直結します。 ②体幹の安定性とバランス感覚の向上 柔体操は全身の連動性を重視するため、体幹が強化され安定した軸を保てるようになります。 全身の協調性、バランス感覚、体幹の安定性、柔軟性、筋力などを総合的に高めることに繋がり、相手との接触があるコンタクト競技や、素早い方向転換を要する競技において、反応速度と安定性を向上させます。 ③怪我のリスク低減 筋肉や関節の柔軟性が高まることで、急激な動きや不意な衝撃にも対応できる身体を作ることができ、捻挫や肉離れといったスポーツ障害の予防に繋がります。 ④疲労回復の促進と集中力の向上 血液循環が改善されることで、運動後の疲労物質の排出が促され、回復力が高まります。 また、呼吸に意識を集中する柔体操の特性は、メンタルを落ち着かせ、集中力を高める効果も期待できます。 これらのことから、柔体操のような全身の柔軟性を高める運動は、技術の向上だけでなく、全身の健康維持にとっても非常に有用であることがわかります。 心身への効果 ①集中力・精神力の向上 呼吸と動作に意識を集中することで、雑念が消え、精神的な安定と集中力が高まります。 ②ストレス軽減 身体を動かすことで、心身のリフレッシュ効果が得られます。 ③身体感覚の鋭敏化 自分の身体の状態に敏感になり、微細な変化に気づくことができるようになります。 ④健康増進 全身運動により、血行促進、代謝向上、姿勢改善など、総合的な健康増進に役立ちます。 特に、柔軟性の向上は血管の健康にもつながり、動脈硬化や高血圧のリスク低減にも貢献すると考えられます。 柔体操から学ぶ「柔よく剛を制す」の精神 柔体操は、単に身体を柔らかくするだけでなく、「柔よく剛を制す」という柔道の根本原理を体現するものです。 力任せではなく、相手の力を利用し、しなやかな動きで対応するという柔道の理念は、この柔体操の動きの中に深く息づいています。 一見地味に見える柔体操ですが、その奥には柔道の真髄が隠されています。柔道に携わる方はもちろん、一般の方々にとっても、しなやかで力強い身体、そして落ち着いた心を育むための素晴らしい身体操法であると言えます。 日々の生活に柔体操の要素を取り入れることで、より豊かな心身を維持・向上していきましょう。 過去のコラムはこちら 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2025/07/10コラム
- 【柔道整復学科・片橋先生コラム】手当の基本「RICE処置」──いちばん大切なのは?
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こんにちは、日本医専です! 今回は、柔道整復学科の専任教員 片橋先生コラムの第66弾をお届けします! 【手当の基本「RICE処置」──いちばん大切なのは?】 日本医専柔道整復学科の片橋です 暑くなってきましたね。学生さんの熱量が高くて、すでに実技や教室で「あちち!」となっています さて、ケガをしたときにまず行う応急処置として有名な「RICE処置」。 Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったこの手当法は、スポーツや日常生活の打撲・捻挫などに広く用いられています その中で、一番重要なのは何だとおもいますか? 実は・・・最も重要なのは「Rest(安静)」ご存じでしたか? なぜ安静が最も大切なのでしょう? ケガした直後の体は、炎症を起こしており、細胞がダメージを受けています ここで無理に動いたり、日常の動作を続けたりしてしまうと、炎症が悪化したり、損傷が広がったりする可能性があります 体が治す準備をするためには、まず休むことが必要不可欠 安静にして、自己修復力が最大限に働ける環境を整えるのですね 実は病気の時も安静が一番の薬なんです 風邪をひいたときや、発熱・腹痛などの体調不良時も、体はウイルスや炎症と戦うために全力を尽くしています ここで無理をすると、回復が遅れたり、症状が悪化してしまうこともありますよね 病気のときも、休むことで免疫機能がしっかり働き、回復を早めるのです 薬や栄養ももちろん大切ですが、「しっかり休むこと」が回復の基本だと、改めて意識してみてください 大切なのは、傷んだ部分や疲弊した体に余計な負担をかけないこと 体の自然治癒力がもっとも働くのは、休んでいるときなのです 安静を軽視すると,炎症が悪化し、回復までの時間が長引く 出血や腫れが進行し、ケガが治っても元のように動かない(可動域制限) 病気のときは、重症化や長期化、他の人への感染リスクにも 手当や応急処置というと、「冷やす」「巻く」などに意識が向きがちですが 何よりもまず「動かさない・休ませる」ことが最優先 無理は禁物!痛いことはしない 「少し休む」ことが、結果的に早く元気になれる近道なのです (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員) 過去のコラムはこちら]
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2025/05/16コラム
- 【川﨑先生コラム】肌と心に語りかける“春の気の巡り”
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こんにちは!! 日本医専の広報担当です。 柔道整復学科 川﨑先生コラムの第64弾をお届けいたします! 皆様、こんにちは。ゴールデンウィークが過ぎ、過ごしやすい季節となりましたね。お出かけの機会も増えるのではないでしょうか。この時期は一年の中でも紫外線が急激に強まる頃です。そろそろ本格的なケアを始める必要がありますね。 日々のスキンケアにおいては、紫外線対策はもちろんのこと、抗酸化作用に優れたビタミンCやEを積極的に摂取することが、シミやそばかすを防ぐための基本となります。 お肌のコンディションは、紫外線による外的ダメージだけでなく、自律神経の乱れや消化不良といった体の内側の不調によっても左右されます。これらの内的要因は、肌の保護機能を低下させ、乾燥、肌荒れ、くすみなどのトラブルを引き起こす可能性があります。 特にこの時期は、朝晩の寒暖差によって自律神経が乱れやすく、気分が不安定になったり、体がだるく感じたり、また、新しい環境でのストレスや、連休中の食生活の乱れから消化不良を起こしやすい方もいると思います。内と外の両方からケアをして、健やかな肌を守っていきましょう。 ●春はエネルギー(気)の流れをスムーズに 春は、新しい生活環境が始まるなど変化が多く、それに伴い周囲との人間関係などで疲れやストレスを感じやすい時期です。そのため、精神面に関わる様々な症状が現れやすく、いわゆる「五月病」も春特有の体調不良と言われています。 東洋医学の五行説では、「肝」は春の季節、そして木という性質と深く結びついています。 春の陽気が下から上へと勢いよく昇っていくように、木もまた、のびのびと枝葉を伸ばして成長します。 「肝」は、この全身の気の流れが滞らないようにコントロールする重要な役割を担っていて、陽の気を全身に発し、体の気の巡りを活発にすることで、体のあらゆる部分がスムーズに機能します。 5月を健やかに過ごすためには、この「肝」の気がのびのびと全身を巡ることが何よりも大切です。 また、「肝」の気は、まるで自律神経の機能に似ていて、私たちの心身のバランスを調整する働きを担っています。 東洋医学において「肝」は、ストレスを受け止める重要な臓器と考えられており、何らかのストレスによって気の巡りが滞ると、「気滞」や「肝鬱」といった状態が現れます。 これは西洋医学的に解釈すると、自律神経失調の様々な症状にあてはまると考えられます。 ●「肝」の気の働きと影響 気の巡りが何らかの原因で滞ってしまうと、精神的な不安定さを示す「気鬱(きうつ)」の状態が現れやすくなります。さらに、この状態が進行すると、「肝火上炎(けっかじょうえん)」や「肝陽上亢(かんようじょうこう)」といった、いわば「肝」のエネルギーが過剰に上昇する状態となり、イライラして怒りっぽくなったり、顔がほてったり、頭痛、耳鳴り、めまい、お腹の張りを感じたり、良く溜息をつくといった様々な症状が現れやすくなります。 また、「肝」は血液を貯蔵し、全身の血液が不足しないように血流を調整する重要な役割も担っています。 もし「肝」の気の巡りが悪くなると、全身で血液が不足する状態、すなわち「血虚(けっきょ)」という体質に陥ってしまうことがあります。 ●気滞対策と血虚対策の薬膳 薬膳の世界では、個々の食材が持つ効能を、五臓六腑との関連、五味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)、そして体を冷やす・温める性質である五性(寒性・涼性・平性・温性・熱性)によって細かく分類され、これらの性質をもとに、個々の体質や季節に合わせて食材を選びます。 さらに、それぞれの食材が「肝・心・脾・肺・腎」のどの臓腑・経絡・部位に働きかけて作用を示すのかという「帰経(きけい)」という考え方があります。 春の薬膳においては、全身の気をスムーズに巡らせ、また、血液の貯蔵量が十分に保たれることで「肝」の機能が円滑に働くよう助ける食材が良いと考えられています。 五行で「肝」と深く関連する食材は、その色でいうと「青色(緑色)」の食材、そして味覚でいうと「酸味」を持つ食材です。 酸味には、引き締めたり、固めたりする効果があるため、春に活発になりやすい陽気の過度な上昇を穏やかに抑える働きが期待できます。 日々の食事で栄養バランスを整えることは、健康維持のためにとても大切です。主菜、副菜、汁物を組み合わせることで、様々な栄養素を効率よく摂取できます。 主菜で不足しがちな栄養素を意識して、副菜やスープで補うことで、一日の食事全体の栄養バランスを向上させることができます。難しく考える必要はなく、「主菜に足りないものをプラスする」という意識を持つことが必要です。 ①気滞対策の薬膳食材 ・【香りの良い食材:柑橘類】(みかん、グレープフルーツ、キンカン、シークワーサー、陳皮(みかんの皮)、ゆず)は、気の停滞を取り除き、気の巡りを良くしてくれます。 みかんは、ビタミンCが豊富で疲労改善効果や、胃の機能を整えてお腹の張りや痰を解消してくれます。 ゆずは、解酒効果がありはちみつ漬けにしておくと二日酔いの時に使えます。 ・【香味野菜】も気の停滞を取り除き、気の巡りを良くしてくれます。イライラを鎮め気持ちを落ち着かせる働きを助けてくれます。 紫蘇は気の停滞を解消し、ストレスを和らげる効果があります。 セロリは、カラダの熱を冷まし、気の上昇(頭痛、血圧上昇)や利尿、解毒などの効能があります。 パクチーは消化を助け、食欲不振を改善する働きがあります。 ・【その他の食材】唐辛子、胡椒、山椒などは停滞した気を動かす助けになりますが、摂りすぎは気を消耗させるため注意が必要です。 大根、玉ねぎは、お腹の張りを和らげ、気の流れを整える効果が期待できます。 白菜も熱を冷まし、イライラを鎮め、胃腸の機能を整え、腸を潤し便通を良くする効能があります。冷え性の人は生姜、お酢など温める効能のあるものを付け加えると良いですね。 ②血虚対策の薬膳食材 ・造血作用のある食材: レバー、ほうれん草、人参、黒きくらげ、ひじき、ナツメ、クコの実などは、血を補うのに役立ちます。 ・血流を促す食材: いわし、あじなどの青魚、イカ、タコ、ニラなどは、血行を促進する効果が期待できます。 ・滋養強壮作用のある食材: 鶏肉、卵、山芋なども、血を補い、全身を滋養するのに役立ちます。 ●スキンケア対策と薬膳 スキンケア対策と薬膳を組み合わせる考え方は、体の内側から肌の健康をサポートするという点で非常に理にかなっています。 東洋医学では、肌の状態は内臓の機能や気血の状態を映し出す鏡と考えられており、薬膳はこれらのバランスを整えることで、肌本来の美しさを引き出すことを目指します。 ・紫外線は、中医学でいう「熱邪」や「毒邪」といった、肌を傷つける要因と考えられます。そのため、物理的に紫外線対策をすることは重要となります。 ・ビタミンC・Eは、強い抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は、体内では免疫機能や細胞伝達物質としての役割も担いますが、過剰に発生すると細胞を傷つけ、老化や病気の原因となる可能性があります。 中医学的に見ると、活性酸素は「瘀血(おけつ)」、つまり血の巡りの滞りや、肌の老化を促進する要因の一つと考えられています。ビタミンCやEを摂ることは、この「瘀血」の生成を抑え、肌の健康を保つことに繋がります。また、ビタミンCは「気血」を生み出すのを助け、肌の潤いやハリを保つ上でも重要です。 ・ビタミンCが豊富な食材: レモンやトマトなどは、薬膳では清熱解毒(体の熱を冷まし、毒素を取り除く)作用や、生津止渇(体の潤いを補い、喉の渇きを癒す)作用があるとされます。その他、パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどもメラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成を助けます。 ・ビタミンEが豊富な食材: ナッツ類やかぼちゃなどは、薬膳では補血(血を補う)作用や潤燥(潤いを与える)作用があるとされます。 ●見た目が若い人 同じ年齢でも見た目に差が出るのは、様々な要因が複雑に絡み合っています。東洋医学では、見た目の年齢には「血虚」という状態が深く関わっていると考えられています。この「血虚」は、単に血液の量が少ないということだけでなく、その質や、血液が全身に栄養を運ぶ機能の低下も含むものです。 血液は、全身の細胞に栄養を届け、老廃物を回収する役割を担っています。その機能が低下すると、肌のハリやツヤ、顔色など、見た目の若々しさにも影響が出てくるのは自然なことです。いつまでも若々しくいるためには、この「血虚」の状態に目を向け、日々の生活習慣を見直すことが大切です。 薬膳は、自分の体質にあった食養生です。薬膳の体質は「証(しょう)」で捉えられ、体の状態を総合的に判断する東洋医学独自の概念です。気虚、血虚、陰虚、陽虚、気滞、瘀血、痰湿、湿熱などがあり、個人の状態や季節によって変化します。体質に合った食材を選ぶことが重要で、日常の食事から病気を予防する未病先防という考え方が強いです。 食養生と日々のストレスケアに加えて、ビタミンCやEを豊富に含む食材を積極的に食事に取り入れることは、内側からもシミやそばかすを防ぎ、透明感のある肌を養う上でとても大切です。 また、高い化粧品よりも睡眠が大事です。深夜1時から3時までの丑(うし)の刻は「肝」の働きは盛んになる時間帯です。昼間は全身を巡っていた血液はこの時間に肝に戻りきれいな血液に生まれ変わります。きれいな血液が循環すると睡眠中の疲労回復が進み、目覚めが良い朝を迎えることができます。この時刻の睡眠は、お肌につやが出て髪が増えるといわれ、高価な化粧品より睡眠をしっかり取ることの方が効果的であると考えられます。 春の“気の巡り”を意識した生活習慣と、紫外線対策を基本としたスキンケアを組み合わせることで、いきいきとした健やかな美しさを育んでいきましょう。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]