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日本医学柔整鍼灸専門学校

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川崎先生コラム 第14弾「冬のスポーツで起きるアクシデント」

2021/11/12

こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。

川崎先生コラムの第14弾!
今回のコラムではスキーやスノーボードなど、冬のスポーツで起きる怪我や対処法をご紹介します!

冬のスポーツで起きるアクシデント

11月に入り寒くなってきましたね。

これからWinterスポーツを楽しもうと準備をしている方も多いのではないでしょうか。

冬のスポーツとして馴染みのあるのはスキースノーボードです。

2月頃が最も積雪が多い時期ですが、シーズンは11月下旬から3月頃まで楽しめます。

キラキラ光る一面の雪景色に澄んだ青空、ゲレンデの森は静けさに包まれ最高のロケーションです。

私も子供の頃からスキーをしていました。

毎年スキー学校に入っていた記憶があります。

ひざを怪我してからは、なだらかなゲレンデや森林コースを滑走することしかできません。

しかし温泉で疲れを癒やしたり、森を散策したり、夜の星空を楽しみながらロマンチックな気分に浸るなど、大自然に心癒やされる時間を過ごすことができるのも幸せなひとときです。

しかし、癒やしの時間を過ごすことができる反面、滑走中はスピード感に興奮し不幸にも無理なジャンプやスピードコントロールができずに転倒や周囲への不注意による衝突などで捻挫骨折脱臼などの怪我をする人が多くいます。

中級者・上級者になるほど難易度の高い場所の滑走やスピードを出しすぎる傾向があるので、怪我の割合も多くみられます。

軽傷で済む範囲であればいいですが、場合によっては身体機能に障害を残してしまったり、最悪は死亡事故につながることもありますので、怪我や事故が起こらないように認識をもって楽しんでもらいたいです。

スキーとスノーボードの怪我の違い

共通している最も多い原因はスピードコントロールができずに転倒して怪我をするケースです。

スキーとスノーボードではそれぞれ足の固定状態が異なるため受傷状況に違いがあります。

スキーでは、靴とスキー板が一体化されていてピンディングが外れずに転倒した場合に下半身を捻ることが多いため下半身の怪我が多くみられます。

スノーボードは両足を固定している状態でバランスを崩して上半身から転倒することが多いため比較的上半身の怪我が多く見られます。

スノーボードの方が人口が増えていることもありますが、ジャンプやトリックなどの失敗による転倒が多いためスキーに比べて事故が多いと報告されています。

しかし大事故につながるのはスピードがでるスキーの方です。

どんな怪我が多いのか

①ひざの損傷
最も多い捻挫で発生率が高い怪我はひざの靭帯損傷です。
靴とスキー板が一体化されていて、内側エッジが引っかかりひざを内側に捻るように転倒した際に特にひざ関節の内側にある内側側副靭帯を損傷します。

②肩の損傷
特にスノーボードで発生率が高い怪我は肩関節の脱臼と鎖骨骨折です。
ジャンプの失敗などで転倒した際に肩や手をついて肩関節を脱臼することがあります。
場合によっては鎖骨を骨折することもあります。

③足首・下腿の損傷
スキーの場合、足首が固定されるためひざ下の骨に回旋の力が働いて、スキー骨折といわれる足関節の骨折や、ブーツトップ骨折といわれるブーツがすねにあたる部分の下腿骨の骨折をすることがあります。

④手首・手指の損傷
転倒時に手をついて手首を捻ったり、骨折することがあります。
特徴的なものとしてスキーヤー母指といわれるストックのストラップに指を引っかけて親指の付け根の靭帯を損傷することがあります。

⑤頭部損傷
転倒時に頭部を打ち付けたり、ボードがぶつかり頭皮の切創(切り傷)が多くみられます。
スキーではストックをつくことができるので頭部の障害は少ないですがスノーボードでは上半身から転倒したときに受傷することがあります。
頭部内に出血が起きると、受傷後は症状がなくても時間の経過とともに意識障害が生じてくるので経過観察が必要です。
頭部の怪我は命の危険につながることもありますので早急な対応が必要です。

⑥頚椎(けいつい)損傷
後方へ転倒した際に、頚のむち打ち損傷をすることがあります。
重傷のものでは脊髄を損傷する場合で、四肢の麻痺や呼吸筋の麻痺などの神経障害の症状がみられます。

⑦脊椎(せきつい)損傷
背部の強力な打撃により肋骨の骨折や脊椎の骨折、尾骨骨折を生じることがあります。
重傷のものでは内臓の損傷などを伴い腹腔内に出血が起きると、出血性ショック(出血により血液循環量が低下する)を引き起こします。
意識障害、チアノーゼ、呼吸数の増加、脈拍数の増加、低体温になっていきます。
出血から死亡まで2時間といわれていますので緊急性を要し迅速な対応が必要となります。

★怪我の対処方法

①安全確認
まずは、周囲の安全確認を行いましょう。
また、速やかに端に移動し新たな事故が起きないように配慮して下さい。

②協力要請
周囲の人に協力してもらうなどして状態を確認してから処置を行うことが大切です。
周囲の人は、受傷状況をしっかり認識して救護隊員に説明できるようにしてください。
ゲレンデで怪我や事故が起きた際には、現地に救護にあたるパトロール隊員が常駐しています。
また、パトロール隊員は怪我の処置まではできないため、柔道整復師が連携しながらゲレンデでの怪我の応急処置や治療に携わっています。
万一、事故に遭遇した場合は周囲の人に協力を依頼して連絡を取るなど対処するようにしてください。

③損傷部位の確認と意識確認
どこを損傷しているか確認し、バイタルサイン(生命徴候)を確認しましょう。
バイタルサインとは生命に関わる基本情報で、意識があるか、呼吸をしているか、脈が触れるかを確認して異常があれば心肺蘇生を行うことも視野に入れる必要があります。
スキー場では低体温になることもあるので、しっかり保温を行います。

④予防
ヘルメットやプロテクタ―の装着、衣服での保護などを行い、転倒してもできるだけ軽傷で済むように予防しましょう。
また、レベルに合った楽しみ方や、スキーやスノーボードの基本的な知識、特に転倒の仕方を学んでおくことも必要です。

★怪我をしないための準備運動

①滑走前にウォーミングアップを行いましょう。
怪我をしないためには準備運動は必要です。
“これから負荷をかけていくよ~”と身体にサインを送る必要があります。
準備運動には色々ありますが、運動直前に行う効果的な準備運動は、ゆっくりじっくり伸ばす「静的ストレッチ」を行い、次に軽くランニングしたり、ジャンプしたり、足上げをしたりなどの「動的ストレッチ」を行います。
スキー板やストックを利用したストレッチもお勧めです。
身体をほぐしながら温めていきましょう。

 

②滑走後はクールダウンを行いましょう。
楽しく滑った翌日に体が痛くて動けない。
なんてことにならないように滑走後も「静的ストレッチ」を行いましょう。
翌日も滑る予定がある方は怪我をしないためにも時間をかけて行って下さい。

③日頃から体の備えを行いましょう。
スキーやスノーボードは、バランス感覚と柔軟性が最も必要なスポーツです。
バランス感覚を養うためには体幹足の筋力トレーニングが必要です。
自宅でも簡単にできる腹筋背筋スクワットでバランス感覚を養い、柔軟性には静的ストレッチを行いましょう。

寒くなってきたので鍋料理が多くなりました。
野菜をたくさん取れてヘルシーです。
私は、薬膳だしの素というのを使っています。
麹菌で小麦を発酵させたものに、高麗人参、甘草、桂皮、椎茸、昆布、山芋などが原材料として入っています。
この薬膳だし一つで他の調味料がいらないくらいおいしくなります。
鍋料理以外のお料理にも使っています。
心も体も温まるお料理を楽しんでいます。(*^O^*)☆彡

川﨑有子 柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員


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