スポーツトレーナーセミナー報告
2025年5月28日(水)、日本医専本校舎にて、サッカーカンボジアプレミアリーグ 「Boeung Ket FC」に所属する日本人トレーナー・植田智也さん(通称ウッディ) をお迎えし、「スポーツトレーナーセミナー」を開催しました。
セミナーには、日本医専の在校生や、日本医専への入学検討中の方々など約50名が参加。和やかな雰囲気の中で進行され、海外に挑戦するためのリアルな体験談や具体的なステップについて語られる、非常に濃密な60分となりました。
30歳で初めての海外へ。英語も話せなかったのに、いまカンボジアのトップチームへ
植田さんは四国の専門学校を卒業後、理学療法士として整形外科に勤務。
平日は病院で働きながら、休日は高校のスポーツ現場でのトレーナー活動を行い、8年間現場での経験を積み重ねました。
そして30歳で、初めてパスポートを取得。英語は「ハローとセンキュー」だけ、海外経験もゼロという状態で、単身でシンガポールへ渡り、アルビレックス新潟シンガポールのフィジカルコーチ・トレーナーへ就任。4年間の勤務を経て、現在はカンボジアのプロサッカークラブでトレーナーをされています。
「英語力より行動力」「準備の力が次につながる」
「今の監督(アイルランド人)には“あと何日で治るの?”とよく聞かれます。その質問に答えられるのは、病院勤務時代の8年間で得た経験があるからです」
植田さんは、現場で学んだ画像診断や院長の判断基準を自分の中に蓄積してきました。その「準備」があるからこそ、いま海外でも選手・監督から信頼を得ることができていると語ります。
また、シンガポールでの“苦い経験”も共有。「日本と同じようにハードなリハビリをしていたら、選手が来なくなってしまいました」。この経験を機に、国や文化ごとに求められるスタイルを柔軟に変える大切さを学んだといいます。
「人とのつながりが未来をつくる」
キャリアを重ねる中で、植田さんが最も大切にしているのが 「人とのご縁」。
シンガポールへ行くきっかけは、知人のグループLINEに流れてきた「誰か行きたい人いない?」の一言でした。「給料も条件も分からない状態で、“僕行きます!”と即答しました」と笑います。
現在カンボジアで働いているのも、当時の対戦相手チームの監督が移籍して声をかけてくれたから。「一度遊びに行ったら気に入って、“住みたいな”と思った。1ヶ月後にはオファーが届いていました」
帰国時には必ず、働いていた病院と母校に挨拶へ行くことも忘れません。
「今の自分があるのは、あの環境があったからこそ。感謝の気持ちは大切にしたい」と語ります。
キャリアのバトンを次の世代へ。海外研修への想い
今回のセミナーでは、日本医専が実施している「東南アジア研修」に関する案内も行われました。植田さんは、
2024年度からカンボジア現地にてこの研修を受け入れており、学生がプロ選手に対して実際にテーピングや手技を施す機会を提供しています。
「現地のプロ選手相手に実践できる」貴重な経験。この研修が、海外挑戦への一歩になることは間違いありません。
海外研修も参加者募集中!
次回のカンボジア研修は2026年3月に実施予定(5泊6日、費用目安:約25万円)。授業で学んだ知識・技術を、実際の現場で試すチャンスです。興味のある在校生は、ぜひ本校までお気軽にお問い合わせください!
日本医専では合計6か国での海外研修に取り組んでいます。
在校生の方も入学検討中の方も、ぜひ次のページをご覧ください!
おわりに
スポーツトレーナーとして海外で活躍すること。それは決して特別な人だけができることではなく、「一歩踏み出す勇気」と「人とのつながり」を大切にする気持ちがあれば、誰にでも道は開ける――。
植田さんの言葉と経験からは、そんなメッセージが強く伝わってきました。今回のセミナーが、柔道整復師と鍼灸師を目指す皆さんにとって“自分の将来を考えるきっかけ”になれば幸いです。
植田さん、本当にありがとうございました!