【大島先生コラム】運動中や運動後にすねの内側が痛い…鍼治療で改善できるのか
2023/07/27
みなさん、こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校です。
本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します!
運動中や運動後にすねの内側が痛い…鍼治療で改善できるのか
健康意識の高まりからランニングを始める人が増えています。
ランニングはほかの競技とは違い、運動靴ひとつあればできるスポーツです。
そのため、運動とは無縁だった方でも、思い立った時から気軽に始められます。
それゆえに、故障も多いのです。
そのひとつが、質問にある「運動中や運動後のすねの痛み」。
シンスプリント(過労性脛部痛)と呼ばれており、脛骨(すねの骨)後方内側のヒラメ筋や後脛骨筋や骨膜が損傷している状態です。
シンスプリントに、鍼治療は有効です。
刺激を加えるツボは、「三陰交穴」や「漏谷穴」。
前者は、脛骨の内側縁で内くるぶしから指4本分の場所にあり、後者は、内くるぶしから指8本分の場所にあります。
いずれも、消炎、鎮痛、血液の循環改善による修復促進効果を期待できます。
かつて実際にシンスプリントで悩んでいる大学サッカー部の選手に対処した場合では、鍼治療を週3回行った結果、痛み、再発もなく練習に戻ることができたケースもありました。
ただ誰もが鍼灸が向いているとは言えませんし、絶対に効くとも言えませんが、まずは試してみることをお勧めします。
大島貞昭 先生(鍼灸学科専任教員)
柔道整復師・鍼灸師
スポーツ鍼灸ゼミ顧問
JFA公認ライセンスB級コーチ
新着記事
-
2023/09/28その他
- 【柳先生コラム】痛くない鍼はある? 皮膚表面を刺激して効果を出す“刺さない鍼”
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 痛くない鍼はある? 皮膚表面を刺激して効果を出す“刺さない鍼” 鍼は痛いというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実はまったく痛くない鍼というものもあります。 なぜ痛くないか? それは接触鍼といって、皮膚表面を刺激して効果を出す、“刺さない鍼”だからです。 「刺さなくても効果があるのですか?」と患者さんによく聞かれます。 しかし、実はすごい効果があるのです。 東洋医学の考えでも、皮膚をなでたりこすったりして全身にあるツボを刺激することで、脳や内臓に働きかけ、心と体の健康を維持できるとされています。 とても軽い刺激ですから小さなお子さんにも使うことができ、そのやり方のひとつに「スキンタッチ」という方法があります。 お子さんの健康管理・健康増進を目的に古くから行われている「小児はり」を現代風にアレンジしたもので、鍼を使わずにご家庭にあるスプーンやドライヤー、歯ブラシといった生活道具を用いて刺激をするものです。 やり方は、スプーンの背の部分でお子さんの素肌をスリスリ優しくなでたり、ドライヤーの風でポカポカ温めたり、または歯ブラシでトントン軽く叩いて、スキンシップを取りながら心地よく刺激していきます。 実際こんな簡単なやり方でも、おねしょや疳の虫、夜泣きなどに効果があり小さいお子さんだけでなく、大人がやっても気持ちがいいものです。 またつまようじを数十本束ねたもので頭皮をトントン刺激すると頭皮の血行が良くなり、薄毛対策に効果的です。 専門的な道具がなくても鍼はできる。 ご家庭でお手軽に試してみてはいかがでしょう? <<記事全文はこちら>> 柳 知佳 先生/鍼灸学科 専任講師 はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師。]
-
2023/09/20その他
- 【王先生コラム】更年期障害に関する東洋医学における治療はどんなものなのか
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 更年期障害に関する東洋医学における治療はどんなものなのか 更年期障害とは、閉経前後(45~55歳)の女性に見られるさまざまな心身障害のこと。 主な症状として、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、不安、情緒のアップダウンが激しくなるなどの精神的不調と、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)、動悸、頭痛などの身体的不調などがあります。 西洋医学では、原因を女性ホルモンの減少と捉え、ホルモン補充療法などの治療が行われます。 一方、東洋医学では加齢に伴った腎の衰えが土台にあり、陰陽バランスの崩れ、気・血・水の滞りなどが絡み合った結果だと考えています。 更年期障害の薬物療法ではホルモン補充療法・向精神薬と並んで、漢方薬がよく用いられます。 代表的な処方を数種挙げてみましょう。 更年期障害の薬物療法 イライラ、落ち着かない、のぼせ、不眠などの精神的興奮が見られる時には「加味逍遥散」。 全身の冷え、腰や膝の重だるさ、下肢のむくみ、頻尿などが見られる時には「牛車腎気丸」。 下腹部や下肢の冷えと顔のほてりが同時にある時には「桂枝茯苓丸」などがあります。 更年期障害に処方する漢方薬は数多くあります。 ぜひ専門家への受診をお勧めします。 <<記事全文はこちら>> 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通]
-
2023/09/13その他
- 【中根先生コラム】それぞれの体質が治療の重要なポイント…自分の体質を知る方法は?
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! それぞれの体質が治療の重要なポイント…自分の体質を知る方法は? 東洋医学では同じ症状であっても、体質が異なれば合う漢方薬、ツボが異なります。 体質は、大きく分けて5つ。 「肝」「心」「脾」「肺」「腎」です。 タイプ別の特徴を簡単に挙げましょう。 肝 目力があり、色黒、がっちりとした筋肉質。声は大きく、太っ腹で親分肌、少々のことで動揺しない。 心 目が大きく、顔のパーツがはっきりしており、赤ら顔。明るくよく笑うムードメーカーで行動力あり。一方、KY気質で浮き沈みが激しい面も。 脾 小さい口で、唇のしまりが悪く口の周囲が黄色っぽくなりやすい。皮膚に張りがなく痩せ形。新しいことを始めるのが苦手で、根気がなく、なまけ癖もあり。 肺 色白で体毛が薄い。風邪をよくひき、声に力がなく、行動力が乏しい。取るに足らないことで悩む傾向があり、愚痴が多い。 腎 耳と肩幅が小さく、ひょろりとしている。物腰が柔らかく落ち着きがあるが、性欲は乏しく積極性に欠け、怖がり。 タイプごとの健康維持の工夫を最後に紹介します。 「肝」はビネガードリンクや炭酸がおすすめ。 「心」はセロリ、ゴーヤー、グレープフルーツといった苦みのある食品を。 「脾」は冷たい物、甘い物に注意。 「肺」は落ち込んだ時などサウナで汗を流すと気分転換に。 「腎」は日頃から、ゴマ、わかめ、黒豆など黒い食材を取るように心がける。 自分がどのタイプか。知っておくと健康維持・増進に役立ちます。 <<記事全文はこちら>> 中根 わたる先生/日本医学柔整鍼灸専門学校教員、はり師、きゅう師。]
-
2023/09/06その他
- 【王先生コラム】東洋医学の不妊症に対するアプローチ
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 東洋医学の不妊症に対するアプローチ…腎の働きをよくする 五臓六腑の中で、生殖をつかさどる臓器が腎。 不妊症に対して、東洋医学では腎の働きをよくすることが最も重要だと考えられています。 そのため不妊治療には、この腎のパワーダウンを食い止める「補腎」が重要になってきます。 この「補腎」の考え方は、さまざまです。 性欲や精力減退が主症状の場合は「腎精」にアプローチしますし、精神的・肉体的疲労感が主症状の場合は「腎気」、腰や下腹部の冷え、全身の冷えが主症状の場合は「腎陽」、のぼせ、ほてり、寝汗が主症状の場合は「腎陰」にアプローチします。 漢方処方としては、六味地黄丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などが知られています。 西洋医学で行われる最新の不妊治療(生殖補助医療)に東洋医学療法を加えることで、妊娠し、無事に出産に至った例は数多くあり、また東洋医学療法のみでも体調を整え妊娠に至ったケースも一定数あると報告されています。 子供が欲しいが、なかなか授からない……。 そんな場合は、不妊治療の経験のある漢方医や鍼灸師に相談するのも手です。 <<記事全文はこちら>> 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通]
-
2023/08/31その他
- 【天野先生コラム】東洋医学では疲労や倦怠感はどう対処する?
-
みなさん、こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 本校教員が執筆するコラム「東洋医学を正しく知って不調改善」が日刊ゲンダイヘルスケアに掲載されましたので、ご紹介します! 東洋医学では疲労や倦怠感はどう対処する? 器質的疾患は認められないものが対象 疲労や倦怠感の要因は非常に多岐にわたります。 近年では、確認できる組織障害の程度に比べて大きい身体症状の訴えがある「機能性身体症候群」という概念も提唱されています。 ちなみに東洋医学では、慢性の疲労・倦怠感があり、しかし器質的疾患は認められないものが主な対象となります。 東洋医学における基本的考え方では、疲労・倦怠感は気虚(気の不足)、気滞(気の停滞)、血虚(血の不足)、血瘀(血の停滞)、水滞(水分代謝の異常、水の量的・分布)によってあらわれると考えます。 また、体のさまざまな機能を五臓(肝・心・脾・肺・腎)に結びつけて考えますが、この五臓の中でも特に疲労・倦怠感と関連深いのが脾と腎とされています。 脾は消化吸収を、腎は泌尿生殖をそれぞれ担い、腎は生命力とも関連しています。 そして、そんな脾の働きを整える代表的なツボに、膝のすぐ下のくぼみから指4本分下の「足三里(あしさんり)」、膝の内側にある骨の大きな膨らみとスネの骨との角にある「陰陵泉(いんりょうせん)」、背中の真ん中から指3本分外、ウエストラインからやや上の「脾兪(ひゆ)」などがあります。 足三里 陰陵泉 脾兪 日頃のセルフケアとして、これらのツボを痛気持ちいい程度に圧迫したり、台座付きの市販のお灸をしたりするとよいでしょう。 いずれにしても、医師・薬剤師・鍼灸師ら専門家にご相談していただくことをお勧めします。 <<記事全文はこちら>> 天野陽介先生(鍼灸学科専任教員) 北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。 日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。]