【王先生コラム】「免疫力を高める東洋医学の知恵」第4弾~免疫力アップの秘訣~
2020/10/09
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です
王先生コラムの第四弾をお届けいたします!
王先生コラム「免疫力を高める東洋医学の知恵」
免疫力アップの秘訣
みなさん、こんにちは。新型コロナウイルスに関連するニュースが毎日取り上げられる昨今、ご自分の免疫力を今まで以上に意識される方が多いのではないでしょうか。また、それとは関係なしに、季節の変わり目にすぐに風邪を引くなど体調の崩れやすい方も、自分はなんと免疫力が低いだろうと思われるのではないでしょうか。
東洋医学は「免疫力」という言葉がありませんが、2千年前に成書された古典「黄帝内経」には「正気存内、邪不可干」といった名句があります。
そのまま翻訳すると、正気が体内に存在すれば、病気を引き起こす邪気からの干与・干渉は不可能という意味です。つまり、現代の言葉でそれを表現すると、体を守ってくれる免疫力(正気)を高めれば、ウイルスなどの病原体が簡単に侵入し悪さをすることができないことです。
では、どうやって免疫力を高めればよいのでしょうか?
今回は簡単にご自分でできるセルフケアの方法をご紹介します。
1.免疫力を高めるツボを刺激する
免疫力を高める代表のツボを二つご紹介します。
一つ目は「関元」というツボです。
へその真ん中から指四本分下にある関元は昔から疲労や虚弱体質、冷えの改善に使われるツボで、保健の要穴と言われています。
関元を刺激し免疫力を高める方法は腹式呼吸です。仰向けに横になり、お臍の下あたりに手を乗せリラックスして、10秒をかけて吸い、10秒かけて吐くのを目安にし、20分~30分間を寝る前に行います。
この腹式呼吸を行う際に手の置くところは大体関元のところです。関元に刺激を与えることはその奥にある腸管リンパ系を刺激することになるので、腸管リンパ系の免疫細胞であるリンパ球の活性化につながります。
二つ目のツボは「足三里」です。
足三里も昔から保健の要穴として知られています。
中国では病気を知らずにいたいのであれば常に足三里をお灸するといった言い伝えがあり、日本では俳句の名人である松尾芭蕉さんは奥の細道に行く時に疲れたら足三里にお灸をすえていたという伝説もあります。
足三里は膝の真ん中の靭帯の外側にあるくぼみから下三寸のところにあり、そこを親指または人差し指で指圧のように刺激してみてください。足三里に刺激を加えることで白血球の貪食(ばい菌やウイルスなどを食べる)が活発化するのが研究で確認されています。
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2.免疫力を高める漢方薬
免疫力を高める漢方薬はいくつかありますが、代表格は「補中益気湯」です。
補中益気湯は伝統的に胃腸が虚弱の方、胃下垂、疲れやすい、術後や病後で体力が低下した方に使われる処方ですが、最近の臨床観察では免疫力を高める効果も認められたそうです。
インフルエンザの流行時には、補中益気湯を服用した人と服用していない人で、大きな差が出たのが確認されました。
また、最近の新型コロナウイルス感染症においても、再び脚光を浴びて、それを服用してから現場に出る医療従事者がいるそうです。
(監修/王瑞霞 先生)
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
今回の王先生のコラムでは免疫力アップのお役に立てた事と思います。
新型コロナウイルスや季節の変わり目に、免疫力を高めて体調を崩さないようにしっかりとセルフケアしましょう!
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