【片橋先生コラム・第36弾】二足歩行の功罪
2023/04/21
日本医学柔整鍼灸専門学校です。
今回は片橋先生によるコラム・第36弾をお届けします!
二足歩行の功罪
こんにちは、柔道整復学科専任教員の片橋です
前回の私が腰痛になったコラムのときに、腰痛は二足歩行をするようになった人類の宿命とお話しました。
そのことを今回はお伝えしようと思います
ヒトがなぜ二足歩行をするようになったのか?
この答えはまだはっきりとしていないようですが、「物を持って運ぶようになったから」が一つの理由のようです
手を使うというのがヒトの大きな特徴で、ご存知の通り、手を使うことで脳も発達して賢くなりますよね
二足歩行をすることで大きくなった脳が支えられるようになったこともあり、二足歩行、手の発達、脳の増大は連動して起きていったように思います
その他の二足歩行のメリットは、視点が高くなったおかげで遠方まで見渡せるようになったこと、敵に早く気がついたり、エサを捜したりが有利になりました
デメリットの方は、走るスピードやパワーが低下したこと、逃げ足が遅くなったのですね
でも、脳が発達して賢くなったこと、道具を使用するようになったことで、このデメリットをカバーしてきました
しかし、頭部が重くなったことで姿勢維持が不安定になりました
ヒトは二足歩行を獲得する進化の過程で、背骨を重力に抗して体を支えられるように大きく進化させました
ヒトの背骨はS字状をしています
このS字状構造は、「重力の影響を和らげるクッションの役割がある」とか「発達が不完全な状態である」とかいわれています
とにかく、ヒトの正常な背骨は横から見た時にS字なのですね
でも生まれた時からではないのです
赤ちゃんはお母さんのおなかの中で丸まって育ちます
だから、背骨はC字状
それが1歳頃に立って歩き始めるとS字に変わっていくのです
この重力に耐える姿勢を保つためヒトは体を引き起こす背中の筋肉とお尻の筋肉を発達させました
ですので、背中が丸くなってS字カーブが乱れると、腰の負担が増えて腰痛になってしまうのですね
そういわれると腰だけではないですね
姿勢が悪くなると、肩こりや背中が痛くなりませんか?
原因は同じく姿勢が悪くなったことですね
ですから、腰痛にならないためには正しい姿勢を維持するってことですね
正しい姿勢の目安は、壁に頭と背中、お尻を軽くつけて立ったときに、腰のところに手のひら一枚が入るくらいの隙間がある姿勢です
自分の背骨のS字の状態、確認してみてください
(監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)
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