柔道整復師・鍼灸師を育成する専門学校

日本医学柔整鍼灸専門学校

柔道整復学科 BLOG

川﨑先生コラム 第27弾「柔道整復師 骨折を治す!」

2022/09/30

こんにちは!

日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。

川﨑先生コラムの第27弾をお届けいたします!

柔道整復師 骨折を治す!

柔道整復師は、外傷(骨折・脱臼・打撲・捻挫等)に対して回復を図るための治療を行うことがお仕事です。

医師以外に柔道整復師でなければ仕事として行ってはいけないという独占的業務でもあります。

骨折の治療なんかできるの?と不安に思うかも知れませんが、大丈夫!!

もちろん経験も必要ですが日本医学柔整鍼灸専門学校は、卒業後に活躍できる柔道整復師の育成を教育基本としています。

だから、通常カリキュラム以外にも「ゼミ」があり実技を多く学ぶ時間を設けており、教科書以外の実践的な治療法を学ぶことができます。

骨折・脱臼の治療を行うためには

骨折、脱臼の治療を行う上で厳守するべき柔道整復師法という法律があります。

柔道整復師が骨折、脱臼を継続的に治療するためには、患者様が医師の診察を受けて医師から同意を得る必要があります。

同意の方法は口頭または書面でもよいですが、一番良いのは書面です。

ただし、応急処置を行う場合は必要ありません。

接骨院に患者様が来院した場合、柔道整復師は患者様の苦痛を取り除き、患部を悪化させないための応急処置をして医師に診察依頼をします。

同意を得られたら施術録に同意を得た旨を記載し、療養費(健康保険申請)を行う際にも申請書の摘要欄に同意年月日・病院名・担当医師名の項目の記載が義務づけられています。

骨折・脱臼治療の同意は、健康保険の取扱に関わらず労災・自費診療(トレーナー活動等)・交通事故の施術でも必要となっています。

自費施術でも同意なしでは治療ができないことは認識しておくべきことです。

第5中手骨骨幹部骨折をご紹介

キックボクシングの選手で、試合で負傷した症例です。

中手骨骨幹部骨折とは、手の甲にあたる部分の骨折です。

来院した時はパンパンに腫れて手が丸くなっていました。

骨折部分が斜めや螺旋状に亀裂が入ることが多く、回旋転位(捻じれた状態)を残すとオーバーラッピングフィンガーといって、指を曲げたときに隣接している指と交叉してしまう機能障害を残してしまうため整復(骨折を正常な位置に戻す)と固定管理が重要です。

画像は、初診時のレントゲン写真とレントゲンをシェーマ(絵図)したものです。

シェーマとはカルテを記載するときに利用する身体部位の絵図のことで、症状の内容を記事だけでなく絵図と一緒に残すことで視覚的に情報が伝わりやすくなります。

経過ごとにシェーマを作成して、カルテに残していき患者様の治癒過程を管理していきます。

シェーマを描くのは時間がかかり大変な作業ですが、患者様の状態を把握することができ、治癒~予後の予測まで考えていくことができるので必要な作業だと思っています。

経験だけでなく、こうした地道な作業が患者様の治療を行う上で自分の力になっていきます。

固定については、アルミ副子固定を5週間継続し、その後、仮骨(新しくできた骨組織)が形成され安定している状態であれば固定を変更していきます。

まだ、仮骨形成されても弱い骨なので、さらに隣接指と一緒にプライトンという材料を使用して局所固定を継続しました。

長期にわたる固定になりましたが、最終的に機能障害もなく治癒しました。

我慢強く治療を続けてくれた患者様に感謝しています。

患者様から温かいお言葉を頂き、「治療を続けられたのは、毎日、手を拭いて包帯を取り換えて清潔にしてくれたおかげです。」と言っておりました。

いつも「治療以外に大切なことがある。」ということを患者様から勉強させて頂いています。

骨折の治療をしている間は、毎日、固定は大丈夫か?痛みが出ていないか?と気にして落ち着きません。

しかし、治った時は嬉しくてその経験が自信に繋がっていきます。

治療を行うには、自信も必要ですが不安感も必要です。

不安感が慎重さを忘れず医療事故を防ぐ要素として働きます。

初心を忘れずこれからも、患者様と信頼を築けるように頑張っていきたいと思います。

柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子


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